ルンバのナチュラルトップ

社交ダンスルンバ のベーシックステップとしてはどちらかと言えば初中級くらいのステップとして扱われているナチュラルトップ。

なんとなく踊る分には何も差し支えないのかもしれませんが、ラテンの骨盤のシステムに関するシステムが理解できてきた人にとっては、もしかしたらすごく踊りづらいと感じるステップかもしれません。

何より、このテーマを選んだ私、後藤本人はベーシック史上最高にナチュラルトップが苦手なのです。

私はラテンの骨盤のシステムを知ってからずっと、いろんなステップにそのシステムを当てはめて応用する努力をしてきました。

軸足から体重を次の足へ送り出して行く時の骨盤のセトリングやローテーションをきちんとする事、回転を伴う動作では上体と下半身の時間差を作ること。主にこの2つのことを必ず意識するように心がけてきました。

しかしナチュラルトップだけは、ラテンの基本を当てはめて踊れば踊るほど上手くいかない…

なんでこんなに踊りづらいんだろう!?と思ったこともありました。

でもそれはストイックにラテンの基本を応用しようとする者にとっての落とし穴でした。

そうです。ナチュラルトップをうまく踊るために必要なテクニックはどちらかというとスタンダードの考え方だったのです。

ナチュラルトップの特徴

①2人の間にある仮想軸が運動の中心となる

②踊る時に使うヒップムーブメントが少ない

以上の2つのポイントについて詳しくお話ししていきます。

まず仮想軸という考え方。これはスタンダードテクニックとしては常識でしょう。男性と女性の間にある目に見えない軸を中心に男女がその周りを回転していくステップだということです。もちろんダンスを踊る上では個々の身体の中にある軸の意識や自分のバランスは必要不可欠ですが、ナチュラルトップというステップの運動の中心が仮想軸である限り、ラテンの基本の中では例外的なステップだと言えます。

そして肝心なのがもうひとつ。

ラテンの基本である体重移動の度に骨盤のセトリング&ローテーションが通用しない…これは大事件です!

私がナチュラルトップが苦手な原因はまさにここにありました。

私はしっかり一歩ずつセトリングローテーションをしようと頑張っていました。やればやるほどナチュラルトップは崩壊していきます。

仮想軸を中心に回転を継続するときは、ヒップムーブメントをあまりつくらないというテクニック上のルールがあるんですもの。セトリングとローテーションをしようと頑張るのは逆にナチュラルトップにとってはご法度だったという訳です。

そもそもセトリングムーブメントが用いられる場合というのは、運動の中心となる軸が自分の足の上にあるということが大前提なのですね。そこから重心を移していくときに使うアクションがセトリングです。

ナチュラルトップのように運動の中心になる軸がお互いの足の上にはないフィガーの場合は、『セトリングやローテーションなどヒップムーブメントはほとんど考えない』ということこそが上手く踊るためのコツだったのです。

やっぱり上体と下半身の時間差が大事

骨盤のセトリング&ローテーションという考えを当てはめることができないフィガーであるナチュラルトップとはいえ、回転が継続する運動である以上は、上体と下半身の時間差はとても重要です。

特にナチュラルトップの入り口が最も重要な瞬間です。

男性は第3歩で左足を横にステップして女性を回転の運動に迎え入れるのですが、左足を横に移動したあと早めに左フレームごと上体を右へ先に回転させる運動を始めることが女性へのリードになります。

同様に女性も第3歩で右足を男性の足の間へ前進した足の上でまず上体を右へ回転させる運動を意識します。そしてタイミングは逆になりますが、男性だったら右足を左足のうしろへラテンクロスに掛けた時、女性だったら右足を左足の前に掛けた時、上体が先に右へ運動を始めます。そのあと軸足で床をプッシュしながら左足を横にステップしますが、この瞬間、先に右へ回転していた上体の向きに下半身のおへその向きが追いつくということです。この上下の向きがズレる瞬間と向きが揃う瞬間を自分でしっかりコントロールできるようにしましょう。

これは実際に動きを見ながらでないと、言葉だけでは上手く伝わらないと思います。

是非動画でチェックしてください!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。