社交ダンスルンバ のベーシックステップの中でも人気が高いスリースリーズのポイントを解説します。
男女それぞれのポイントがありますが、共通して言えることは「自分の仕事に集中すること!」これがスリースリーズを上手に踊る上でとても大切になってきます。
男性のリードのコツ、女性の美しいターンのコツ、必要なテクニックをシンプルに分かりやすくお伝えしていますので、ぜひチェックしてください。
上達をめざす社交ダンスラテン初心者必見です♪
スリースリーズで起こりやすい問題
はじめに、スリースリーズはベーシックステップの中では難易度が高めでなかなか難しいルーティンです。理由は「男女が全く違うステップを踏んでいるから」だと思いますが、とはいえニューヨークやハンドtoハンドのように男女が対称の動きをするルーティンのほうがむしろ少ないですよね!男女が全く違うステップを踏むルーティーンと言うなら、王道のオープンヒップツイスト、アレマーナ、ナチュラルトップ、ロープスピンなどなどたくさんあります。それではなぜスリースリーズは難しいのか…
おそらくスリースリーズは手をつないで踊らないルーティンだからですね!
そうです。男女が全然違うステップを踊るルーティンはたくさんありますが、そのほとんどは少なくともずっと手をつないでいられるのです。
それがスリースリーズは導入部で男性が女性にリードをして振り向かせたあとは、ルーティンの最後まで手をつなぎません。つまり個々に足型を理解している必要がありますし、各自が自分のバランスで立って踊れなければなりません。女性は男性に手を離されるととても不安になります。しかも男性は自分の背後で踊っていますので視界にも入りづらいし不安倍増!そして自分のバランスでフルターン(360°の一回転)しなければいけません。一大事ですね!!
はたまた男性は、目の前で女性が全然ちがうステップを踊っています。目の前で回られたり自分と正反対の方向に動かれたり、とにかく惑わされますw実際、スリースリーズを踊っているとき、女性に惑わされて自分のステップが分からなくなりタイミングもめちゃくちゃになり修正できなくなってしまう男性がとても多い印象があります。これまた一大事ですね!!
今日はそんなトラブルが起こりやすいスリースリーズを上手に踊るためのポイントをお話しします。
自分の仕事に集中すること
社交ダンスルンバ スリースリーズの心得を一言で表現するなら、「お互いに自分の仕事に集中すること」がとても重要です。
ここで言う「仕事」とは男性女性それぞれが正しいタイミングで行うべき動作や正しい体の使い方のことを意味します。
シャドーの必要性としてサイトのコンセプトでもお話ししている通り、社交ダンスは二人で踊る楽しさがある反面、スリースリーズの落とし穴でもお伝えした通り、相手のことを気にするあまり自分の動きに集中できないという問題も起こりやすいのが難点です。まず相手のステップに惑わされないために「自分の仕事に集中」です。
そしてスリースリーズは特にルーティンの最初に男性が女性にリードをしなければいけないパートが出てきます。実は「自分の仕事に集中すること」と「リードを上手にする」とは非常に密接な関わりがあるのです。
リードとは何か
男性が女性に次の動きや方向を示すことを「リード」と言います。リードにはいくつか種類があって、つないでいる手の中で押したり引いたりするアームコネクションがメジャーですが、他にも視覚的なリード、身体の向きや角度で次の方向を伝えるものや単純にホールドした時の女性のボディに添えている方の手で女性の身体を動かすようなリードがあります。
スリースリーズの最初に出てくるリードはまさにアームのコネクションから起こるリードです。このコネクションというのが社交ダンスの醍醐味でもあり男性が頭を抱える難しい課題でもあるのです。
「リード」と言葉だけでイメージすると、なんとなく男性が「女性に向けて何かをする」というイメージがあります。それゆえにリードを表面的にとらえてしまい、つないだ手で相手を動かそうとしてしまいがちなのですが、これがリードが上手くできない人に共通しています。
手で相手をどうにかしようとすると、面白いくらい人間の身体というのは体幹が動かなくなるのです。手でリードを考えれば考えるほど、男性の踊りは止まってしまうということです。これがリードというものを考えていくときに理解しなければならない重要なポイントです。
自分の身体の運動がリードになる
リードは手でするものではありません。これは社交ダンスの男性にとっては常識かもしれませんが、始めたばかりで知らないという方はぜひこのことを肝に銘じてください。そうです、リードとは手でしているように見えてじつは手でするものではないのです。正確には、「手だけで行うものではない」と表現しておきましょう。手をつないで2人が踊っている以上、リードは手を伝わって相手に届きますから、手を使っていないわけでもないからです。ポイントはリードは手から始まらないということです。男性のボディが、そして骨盤が運動することでそれが手に伝わり相手に伝わる。これがリードです。リードというのは「男性の身体が運動した結果、手の間に起こるもの」ということを男性には是非体感していただきたいです。
そのためにも大切にしたいのが、社交ダンスラテンの基礎の中でも重要項目トップ3に入る「骨盤の正しい動かし方」をきちんと実践することがカギになります。
女性とつないだ手は置いておいて、女性を振り向かせるリードをする瞬間、男性は踏み替えの動作でしっかりとセトリング&ローテーションをする意識をもってください。骨盤がきちんと運動するとそれが手を通して相手に伝わり、手で何かしようとしていないのに結果的にすごく適切な強さと量のリードを伝えることができるのです。
これがまさに理想的なリードの形です。
要約すると、手を使ってリードをしようとすると体の運動が止まってしまう。体が運動する、とくに骨盤がきちんと運動すると自然と手の中にリードが生まれる。ということです。
だからこそ、最初にお伝えした「自分の仕事に集中する」ということの真意は、スリースリーズの導入で女性を上手にリードしたければ、「手ではなく自分の骨盤を動かす意識=男性の仕事」これに集中することが大事だという意味です。
そして女性の仕事は、男性のリードを受けて回転動作に入るのですが、リードをフォローする側にも大事な心得があります。それは「上半身で男性のリードを受け、下半身は自分の意志で回転させる」ということです。これが結果的にリードをされて回転するような場面で、「上体と下半身の時間差を作る」ということに直結するのです。
女性のリードをフォローするために必要な仕事は重要です。リードよりも早く自分勝手に動いてはいけませんが、リードされているのに反応が遅くてもNGです。優れた女性のダンサーというのは、
①リードをきちんと待つことが出来る
②リードを受けてから素早く反応することができる
この二つが両方ともできている必要があります。
リードを待つために自分でバランス良く立てていることが大事ですし、上体を先に動かしで腰の回転を我慢するのです。
そしてリードされて先に動かした上体と回転せずに耐えている骨盤の間に引っ張り合う力がうまれて、その絞りを解き放つ、つまり腰が上体にあとからついて行くように回転をかけるときの反応速度が女性のテクニックの良し悪しを分けます。
ここまでお話しすると分かる通り、女性の動きはすべて男性が面倒をみているわけではないのです。「きっかけ(リード)を待って、素早く反応(骨盤を回転)する」これが女性の仕事です。
まとめ
男性と女性に課せられた仕事の内容をお分かりいただけたでしょうか。
各自仕事内容が理解出来たら、あとは相手のことに気を取られずに自分のやるべき動作にとにかく集中して実践です。お互いに自分のやるべきことに集中してできたなら、二人の間には自然とコネクションが生まれやすいのです。
男女のそれぞれの身体の使い方について動画で然りと解説していますので、動画をみながら是非実践してみたくださいね。